衛星追尾用2mアンテナの製作(テスト編)
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ISSは低高度(400km程度)なので、4エレの八木で十分に届いているのですが、SO-50などの700km~800kmだとパワーを掛けても散ってしまってループが取れないことがしばしばです。ましてやPO-101等のように、70cmアップリンク2mダウンリンクの運用だと相当に耳が悪い状態となり、むやみにループを取ろうとすると迷惑になるだけです。
そこでやはり耳を良くすることはパワーを掛けずに衛星通信出来ることの必須条件と考え、アンテナを工夫してみようと思い立ちました。
衛星用アンテナはどんな条件を要するのか
まず、この2m 4エレをバージョンアップ(ケーブルはRG-58/U)
マストが低く仰角用ブームより後ろに、余裕が無い条件を前提として考えてみます。
- エレメントはすべて仰角ブームより前に配置する
- 台風などの影響も考えアンテナブーム長は2.5m位まで
- 2m帯の全域をカバーできなくても145.5MHzより上を重視する
- 衛星の姿勢や挙動から生ずる偏波面の変化に対応できること
これらを考えながら先人の文献を検索してみたところ、
JA1CPA/中村英冶氏の
「04. 少し本格的な衛星通信用アンテナ」
が大変勉強になりました。結果ほぼこのアンテナを真似させて戴いて少し上記条件に合わすことにしました。
二分配器(Qマッチ)は部分ごとにチューニングできる利便性からそのまま使用させて戴くこととしました。
条件の③、④はすでにクリア出来ているので、①と②に関してエレメント配置とSWRなどの値をシミュレーションすることにします。
MMANA-GALを使ってシミュレーション
- まずMMANA-GALの「アンテナ定義」に、既存の6エレや8エレシングル等のデータ(サンプルとしてソフトに付属)を読み込んでアレンジしてみます。
主にラジエータの寸法を僅かに長くしたり、短くしたりして「計算」を[開始]すると、どの様に影響するかがすぐ分かります。
[周波数特性]をクリックして「SWR」→[詳細]としてみると特性が図示され良く分かります。
また、リフレクタをラジエータに近づけると、周波数の高い方に特性が移動します。これを何度も繰り返して(私は丸一日遊んでました。)妥協点を探ります。
- ひと通り納得できる結果が得られたら①から⑥のエレメントのY軸とZ軸を入れ替えて⑦から⑫としてクロス八木にします。
- 1.同様に「計算」して特性図表示すると次のように成りました。
よく使用する145.800~145.990MHz辺りのSWRがいい感じです。
これは決していい状態とは言えないと思いますが、ここを気にするとまとまりが付かないので目をつむります。
(現実はどうなると好いのかよく解らない)
この図は中心周波数145.000MHzでのパターンなので上位では少し内側を描きます。
今回のシミュレーションで得られたエレメント配列に従って、次回図面を引きます。
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