GreenCubeのデジピーターとは?
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GreenCubeというイタリアの衛星が高度5800Kmという高い高度を周回しています。そのデジピータを使ってメッセージをやり取りするのが目標です。
まずは信号を受信できるようにしたいと思います。必要なソフトウェアをダウンロードして TNCソフトウェアと専用ターミナルソフトをセットアップしてシステム化します。高さが高さだけに1時間以上非常に広い範囲を交信可能としてくれます。
図では、間もなく日本(+印)が範囲に入ります。他方ではヨーロッパがすべて範囲に入っています。また、日本を抜けていく頃には米国全土がほぼ通信可能範囲に入って来ます。
ハードウェア
(1)IC-9700
DATA 端子 <=> PC
USBポートタイプA(COM)、(2)IC-9700
USBポートタイプB <=>
PC
USBポートタイプA(COM)の2系統で接続しています。
(詳しくは
SatPC32でIC-9700をコントロールするを参照してください。)
(1)は周波数コントロール専用で
SatPC32へ、
(2)はIC-9700内のハブで内部的に2ポート確保できますので、1ポートを今回のデータ用に使用するために
SoundModemへ、残りの1ポートはCI-V用に空いています。
アンテナは11エレ垂直偏波自動追尾(15エレx2くらいのクロス八木を作りたい)です。
システム用アプリケーションと組み合わせ
ソフトウェアには次の2種類が有ります。
- GreenCubeプロジェクトを立ち上げた
Sapienza University of Rome のS5Labが供給するソフト
を使用します。
・ページ下部に有るリンク→ Greencube Digipeater package(1.5MB - Free download)をクリックします
・ダウンロードされたGreenCube_Digipeater.zipを解凍すると、立ち上げ可能なファイルが生成されます
DigipeaterTNC.exe DigipeaterGUI.exe
・DigipeaterGUIはデジピータでの交信とテレメトリー受信の両用途にタブ分けされています。
- UZ7HO Andreiさんのgreentncセット と
DK3WN MikeさんのGreenCube Telemetry Decoderを使用します。
└→
このリンクでダウンロード出来ない場合は[右クリック]し、[リンクのアドレスをコピー]して別のタブで試してください。
・greentncのリンクはzipファイルへのダイレクトリンクです。その時の最新版がダウンロードされます。
完成版となればライブラリ・リストに変更されるかも知れません。
デジピータで遊ぶだけならこのファイルだけでTNC(SSB用、FM用)とターミナルソフトが同梱されています。
soundmodem.exe GreenCubeDigi.exe
・テレメトリーの取得を必要とする場合はテレメトリーデコーダもダウンロードします。
greencube.exe
2022-11-17現在
Nov 09, 2022 update Greencube v.1.1 (digipeater status (telemetry) and messages support) が最上位に表示されます。
SSBモードでSoundModemとGreenCubeDigiを使って取り敢えず受信テスト
1. 初回受信成功時
軌道がほぼ真上を通る絶好の機会でした。それまで1ヶ月ほども何の進展もなく設定を見直したりAFの経路を変えてみたり、
他の方のTweetを見てはガックリしていました。
今回は余程のことが無い限り信号は届くと思い自動追尾周波数コントロールの受信だけにしてテストに専念しました。
日本時間 2022年11月16日 午前9時19分から同午前10時34分の北から南への軌道でしたが、図のとおり初めての信号は10時3分ほぼ真上でした。
それまでは方法は間違っていないとの前提のもと、他のデジタル通信との兼ね合いも有り
無線機側はUSBケーブルのAF出力60%で固定し、
PC側のマイクレベルを調整していました。
丁度
マイクレベルを40%くらいに下げていた時信号が入りだしました。
ISSのデジピータでは60%:60%で快適だったので、同様にしていたのですが、
実は余りにウォータフォールが全体に黄色くピークでは赤が混じっているなと思い、今回は20%位から少しずつ上げて行っていたのでした。
(図の青さで信号は黄緑)
もう一つ分かったことは、
仰角20度を下回ると受信が限界であると言う事です。
受信一覧では10時21分最後に途切れています。天頂でも5800kmの高度が有りますので、傾くほど距離は伸びていきます。
11エレ八木アンテナの限界かも知れません。次回はAOS直後も調べてみたいと思います。
2. 翌日同条件でテスト
さて、前回受信可能なセオリーが取得できたのでそれに従ってセットアップして待機しました
今回のパスは日本時間 2022年11月17日 11時36分から12時39分の北北西から南南西への少し短めのものでした。
前回よりは西に傾いた軌道で距離も長めの感じでした。
やはり予想どおり、
AOSから15分間は何も入感しませんでした。図のように11時51分から12時15分までデコード出来ています。
その後
LOSの12時39分までの24分間もデータ音は聞こえるもののデコードするには十分な信号強度は得られませんでした。
又、今回は途中で少し
マイクレベルを下げて35%で試してみました。ウォータフォールの色の違いですがデコード出来ていました。
これ以上受信能力を上げる(送信もしかり)には、やはり70cmアンテナも
円偏波のクロス八木を制作する必要があるかも知れません。
当ブログは書き始めは早かったのですが、上手く行かず結局2週間以上かかってしまいました。
まだまだ調整と訓練が必要だというのが結論です。
3. 3回目の受信テスト
2022-11-19 無線機側 AFレベル 50%、PC側マイクレベル 40% でかなり効率がアップ
ドップラーコントロールをSatPC32に任せると受信は楽だが、スプリットモードでの送信周波数のコントロールが手動調整となり難しい。
4. 行き成りQSO成立
2022-11-20 06:33 環境は次項で詳細を記します。
GreenCubeにて送受信が可能になった環境設定
- IC-9700の設定は
右図のとおり、他のモードを使用する時との違いは「USB AF/IF出力」の
AF出力をISS Digipeaterの60%から50%にした事です。
無線機側 AFレベル 50%、PC側レベル 24%に固定(2022.12.15変更)
SoundModemの[Threshold]は目盛り線左から3の真下ぐらいでテスト中
↓
受信:無線機側 AFレベル 50%、PC側マイクレベル 22%(2023.1.21)
送信:無線機側 USB入力 50%、PC側スピーカレベル 50% → 30%に変更
受信:無線機側 AFレベル 60%、PC側マイクレベル 22%
送信:無線機側 USB入力 50%、PC側スピーカレベル 60%
2023.4月現在、ISS Digipeater、GreenCubeともに上記設定でうまくデジピート出来ています。
- AGC(Auto Gain Control)の機能を無効にします。
写真では AGC FAST になっています。ここを長押しすると
FAST MID SLOWの内容が表示されますので、何れかを選択してダイヤルを回し OFF を選択します。
[EXIT]で設定を終了します。
- SatPC32のドップラーコントロールとIC-9700の微調整について
周波数コントロールの方法はそれぞれ得意とする方法でいいと思いますが、当方での例を上げます。
先ずメニューバーの[?] → [Auxiliary] → DOPPLER.SQF に次の2行を加えます。
GREENCUBE,435308.625,435308.625,USB-D,USB-D,Nor,0,0
GREENCUBE,435310,435310,FM,FM,Nor,0,0
保存して、SatPC32を再起動すると CAT メニューのダイアログボックスに反映されます。
設定周波数については根拠は有りませんが、SoundModem の既定値に 1600 と言うのが有ります。
その範囲にパケットの入力が来るように設定してみたらデコードも快適だったと言う経験値です。下図の様なコントロール画面に成ります。
この時の IC-9700の画面が次のとおりです。
この様に、SPLIT モードにして VFO A を SatPC32 のコートローラに追従させますが、
SatPC32はIC-9700の「サテライトモード」を使用しますので、勝手に切り替わらないようOFFにします。
次に、VFO B の周波数を手動で合わせますが、この時 SatPC32 のコントロールコマンドボックス [R- C+ A- V- T0 ・・・] の
C+ を C- に変更します。また、V- であることも確認します。
この操作は交信中「送信周波数」を修正する時も同様です。
この操作手順の理由は、C+ だと VFO B にした時、SatPC32からダウンリンク周波数に変えられてしまいます。
また、V+ で VFO B に切り替えると Bのアップリンク周波数が、SatPC32 のダウンリンク周波数になってしまいます。
この様にして、アップリンク周波数 VFO B を SatPC32のアップリンク周波数に手動で合わせたら、VFO A に戻します。
そして、C+ に戻して、ダウンリンクをコントロールさせます。この時 V+ になってしまうことが有りますので V- をキープします。
この操作はSatPC32では、上記のような理由によって手動操作する必要が有ったのですが、
SatPC32ISSは、同周波数送受信のドップラーシフトに対応しているためマニュアル操作は不要です。
また、SatPC32ISSは、SatPC32の設定を継承しますので、そのまま稼働します。
もし、周波数を変更する必要が有る場合は、その時だけ V+ にして、次回のためにその調整代をDOPPLER.SQFに反映させてください。
交信用アプリ greentnc by UZ7HO の使い方
[
CQ] [
INFO] [
73] [
RRR] のボタンには、マウスの右クリックで表示されるダイアログボックスにコメントを入力できます。
また、このコメントの宛先は [
CQ] のみ
ALL 又は
CQ にして置き、残りは空欄にしておきます。
特定の相手と交信する時は一覧の中の相手コールサインをダブルクリックします。
最初の2行のように、私が送信(ピンク)したものが
ReTX Delay に
0 を指定しておくと、
すぐに衛星から送信され返ってきます。これで届いた確認が出来ます。
相手から自分宛てに送信(黄緑)された物は他の無関係なものとは区別されます。但し、本図の色付けは私の好みのものに変更してあります。(
View で変更可)
GreenCubeは高度が高いため、時間も長く周波数の変化もゆっくりなので、交信をしながら気がついたら前項で述べた送信周波数の調整をすると言う方法に慣れれば、
余裕も出てくると思われます。英語が達者ではなくCWも覚束ない私にもGLハントが可能かも知れません。楽しみな衛星だと思います。
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