4月 07 2014

第4弦に高調波が混じりまるでモスキート音

Cleaning Bridge slot

 以前から,どうも音質が4弦だけ気になって仕方が無かった。弦高が低いときに出るびびりとは全く違ったキーンというような音が混じる。 押さえた音の高調波(倍音)がかすかに混じっているような感じである。 最近はますます気になって(大きくなったわけではないのだろうが)二ヶ月ほど弾いていなかった。
 今日は,朝日が部屋に差し込んで気持ちよかったので,意を決して対処療法を講じてみることにした。 と言っても何が(何処が)原因か掴んでいるわけではないので,最も気になっているブリッジを作り直してみることにした。

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 ブリッジ・サドルを外し,弦の当たる背になる部分を把握する。3mmも無い幅の中でフレット合わせをすると赤線のように段が付く。 この状態で12フレット真上でハーモニクスが鳴る。 下段のブリッジ・サドルが,上面を削った後の姿である。

Bridge before after

 この写真のように,4弦部分が前面目一杯に調整したため,少し下がっている。これを元に戻すためにへこみがなくなるまで上面を削る。 ブリッジ・サドルの材質は今は使用できない象牙であるため,爪やすり(ブルーファイル)を使うととてもやり易い。

 ちょっとズーム度合いが違うが,下が削った後のブリッジ・サドルである。

ブリッジの削り出し

 ブリッジ・サドルをブリッジにセットし弦の位置決めと,最初に把握しておいた背の位置をマークする。 5mm位の幅のヤスリでマークを残しながら削り出していく。頂点を丸くする,平らにするなど形状を変えることによっても音のニュアンスは変わるように思う。 何度もやってみて経験を積む必要があると感じた。

竹を薄く削り出す

 さて,次に上面を削った分だけ下駄を履かせることになる。写真の丸棒は言わずと知れた「串カツ」の串である。 これをカッターナイフなどで約半分に割り,割った面をカンナ掛けする。

 その上で,カンナ掛けした反対側からナイフで削り込んで行き,厚さ0.5~1.0mm位に仕上げる。 厚めにしておいて,後からヤスリで削った方が失敗が少ないかも知れない。

ブリッジに薄竹をはかす

 竹とブリッジサドルをボンドで接着して,十分に乾燥させる。

 粗方,カッターナイフなどで,竹の部分の大きさを整え後はヤスリで整形していく。 最終段階では,緩めに弦を張っておいて,サドルをセットしては微調整する。今回は振動に関わる調整なのでブリッジに対してのサドルの座りの良さ, セットするとき窮屈ではなく,かといってゴソゴソでもない。しっかりと固定されるが手だけで抜き差しできる程度に調整すると良い。

削り込んだブリッジ

 削り込んだブリッジ・サドル。

 今回は,1フレットで少しビビリも感じていたので,ほんとに薄い竹をナットにも貼った。 1フレット,2フレットと押さえながら,その上のフレットでビビりが出ない程度にブリッジ・サドルの高さを追い込んでみた。

 最終的な12フレットでの弦高は1弦で2.5mm,6弦で3.2mmとなった。ちょっと低め(1弦3mm,6弦3.5mmが標準)だが,要はビビり音が出ていなければOKである。

 さて,チューニングし弾いてみる。5弦から4弦へと上がったときにも音色に違和感はない。 以前は,ボンボンという音色から4弦に写った瞬間ビンビンに変わると言うとんでもない違和感があった。ひとまず成功である。 まっ,何度も繰り返しながら付き合って行けたらいいなと思った。こちらが勉強させてもらっているようなものだ。 (もうこいつとも45年の付き合いになる。)

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